若くして、海辺の町にある旅館・中島荘を営む中島奈々(福地桃子)。中島荘が休業中の9月上旬、
ひとりの青年・藤井俊太郎(岡山天音)が「どうしても泊めてほしい」と訪ねてくる。彼は一年前
に愛する人を失い、その恋人が亡くなる直前に、この旅館に宿泊していたと語る。奈々は亡くなっ
てしまった俊太郎の恋人のことがすぐに思い当たり、彼女について、「笑顔が印象的でした」と振
り返る。
俊太郎は恋人の足跡を辿り、彼女の死を理解するために、昼も夜も町に海にと彷徨い、歩き回る。
そんな俊太郎の姿を目にしていた奈々は、この土地の案内役を買って出て、いつしか彼と行動をと
もにするようになりーーー。
波音が穏やかに響く海辺の町で旅館を営む奈々
の日々は静寂に包まれている。幼くして家族
を
亡くし、誰にも自分の想いを打ち明けずに暮ら
す彼女は、日々を淡々と過ごしていた。
そんな奈々の生活に突如として現れた一人の青
年・俊太郎は、喪ってしまった恋人の足跡を
辿
りこの町に行き着いた。
突然の来訪者に戸惑いつつも、奈々は町を彷徨
う俊太郎と行動を共にするようになりーーー
そ
れぞれの止まっていた時間が動き始める。
もうこれ以上傷付きたくないと願う女性と亡き
恋人の過去を求める男性、「喪失」を抱えた
二
人。男女の新しい紐帯と希望を描く、日本映画
の新時代を象徴するマスターピースが誕生
し
た。
『溶ける』で日本人最年少でのカンヌ国際映画祭の出品を果たした監督・井樫彩。『真っ赤
な星』(2018)、『21世紀の女の子』「君のシーツ」(2019)、『NO CALL NO LIFE』
(2021)と、同世代を生きる若者の心情を捉える確かな作劇と特有の映像センスで観客を魅
了してきた彼女の最新作となる本作では、透明感あふれる声と佇まい、瑞々しい演技が持ち
味の福地桃子が主演を務め、孤独と喪失の中で日々を静謐に生きる奈々を演じきっている。
主演・福地桃子に当て書きされた脚本を背負い、次世代を担う若手女優の新たなキャリアの
1ページに相応しい存在感を発揮している。
奈々のもとに訪れる青年・俊太郎には、その確かな演技力で様々な作品への出演を重ね、同
世代の中でも抜きん出た個性を放つ岡山天音。恋人を亡くした青年の機微を繊細に演じ、福
地桃子と共に観客の心に鮮烈な印象を残している。
奈々の学生時代の先輩役に野崎智子、旅館の従業員に諏訪太朗と久保田磨希、奈々と俊太郎
が訪れるスナックのママに安藤玉恵と、実力あるキャストが揃い、作品に厚みを与えてい
る。
福地桃子
Momoko Fukuchi
中島奈々
役
1997年10月26日生まれ。東京都出身。
2019年、NHK連続テレビ小説『なつぞら』に夕見子役で出演して話題に。
テレビドラマ『#リモラブ~普通の恋は邪道~』、『女子高生の無駄づかい』、映画『あの日のオルガン』など、幅広く出演。
2022年はNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、7月スタートの日本テレビシンドラ『消しゴムをくれた女子を好きになった』、映画『サバカン』(金沢知樹監督)など、他にも複数の映像作品に出演予定。
岡山天音
Amane Okayama
藤井俊太郎
役
1994年生まれ。東京都出身。2009年『中学生日記』シリーズでデビュー。
17年公開の主演映画『ポエトリーエンジェル』で第32回高崎映画祭最優秀新進男優賞受賞。
最近の主な出演作に、映画『青くて痛くて脆い』『FUNNY BUNNY』、ドラマ『最愛』『ミステリと言う勿れ』『恋なんて、本気でやってどうするの?』など。2022年は、『キングダム2』『さかなのこ』『百花』『沈黙のパレード』と公開作が続く。
野崎智子
Tomoko Nozaki
かなえ
役
1993年12月4日生まれ。静岡県出身。モデルとして多数のファッション誌で活躍。SNSの総フォロワー数は20万人超え。
代表作に、ドラマでは『東京男子図鑑』(19)、『ハイポジ』(20)、『アオイウソ~告白の放課後~』(21)、映画では『月極オトコトモダチ』(19)、『タイトル、拒絶』(20)、『エチュード』(22)などがあり、話題作に次々と出演。
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吉田大駕
Taiga Yoshida
翔太
役
2014年10月3日生まれ
ドラマ『明日もきっと、おいしいご飯』(15/東海テレビ)早川律(0歳)役でデビュー。主な出演作として『ザ・ハイスクールヒーローズ』(21/テレビ朝日)、『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』(21/日本テレビ)、『量産型リコ』(22/テレビ東京)などCM・ドラマ・バラエティーなど幅広く活躍。映画は本作が初出演となった。
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赤瀬一紀
Kazunori Akase
優太
役
俳優。1991年生まれ、山口県出身。
井樫彩監督作品『溶ける』に出演したほか、映画『したさきのさき』『Trush of dare』などにも出演。連続ドラマ『荒ぶる季節の乙女どもよ。』(MBS/TBS)、『復讐の未亡人』(テレビ東京/Paravi)に出演。
MVではマカロニえんぴつ『恋人ごっこ』に出演。DISH//『birds(in2022)』にて出演協力等、映像作品を中心とした活動をしている。
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丸林孝太郎
Kotaro Marubayashi
順一
役
1991年11月16日生まれ。福岡県八女市出身。福岡で演劇活動の後上京。その後、映画24区で演技訓練法「SEILʼS」を学ぶ。
主な出演作に、映画『由宇子の天秤』(春本雄二郎監督)、MV『BOYS END SWING GIRL・ ラックマン』(荒谷穂波監督)、舞台『水の駅』(作・太田省吾、演出・金世一)等がある。
今後の作品に、映画『息ができない』(冨樫森監督)、映画『消せない記憶』(園田新監督)、舞台『水の駅』ポーランド公演・福岡凱旋公演、等がある。
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上野凱
Ueno Nozaki
拓馬
役
1998年8月26日生まれ。長崎県・五島列島出身。
2015年『表参道高校合唱部』でドラマデビュー。芸能活動から離れ学業に専念していたが、2020年に再び俳優として活動を開始。
主な出演作はLINE VISONドラマ『THE LONGHAIR SEVEN 』『正義の天秤』(NHK)等。
2022年『演劇ユニット TK5』を立ち上げ、そのほかに第5回 渋谷TANPEN映画祭CLIMAXat佐世保 イメージキャラクターを務める。
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諏訪太朗
Taro Suwa
横田
役
1954年8月9日東京生まれ。自主製作映画を経て、映画、テレビ、CM等で活躍中。
代表作に、映画『おくりびと』『冷たい熱帯魚 』『エッシャー通りの赤いポスト』『千夜、一夜』テレビ『ひよっこ』『鎌倉殿の13人』など海外作品も含め、数多く出演している。
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久保田磨希
Maki Kubota
克子
役
1973年2月27日生まれ。京都府出身。大阪で舞台やドラマに出演し、活動を開始。
2003年にフジテレビ『大奥』で「美味でございます~」のセリフで話題に。 以降、東京に拠点を移し、ドラマ・映画・舞台を中心に旅番組やバラエティーでも活躍中。
2022年11月4日〜NHK BSプレミアム BS時代劇『赤ひげ4』に出演。
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安藤玉恵
Tamae Ando
ママ
役
俳優。東京都出身。主な出演に、連続テレビ小説『あまちゃん』、『今ここにある危機とぼくの好感度について』、『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』(以上NHK)、『拾われた男』(BSプレミアム)、『深夜食堂』シリーズ、映画『探偵はBARにいる』シリーズ、『夢売るふたり』(西川美和監督/高崎映画祭最優秀助演女優賞受賞)、舞台『命、ギガ長スW(ダブル)』などがある。
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脚本・監督
井樫彩
Aya Igashi
1996年、北海道出身。学生時代に制作した『溶ける』(2016年)が、第 70回カンヌ国際映画祭シネフォンダシオン部門正式出品。初長編映画『真っ赤な星』(2018年)で劇場デビュー。他監督作に山戸結希プロデュース『21世紀の女の子/君のシーツ』(2019年)、TVドラマ「荒ぶる季節の乙女どもよ。」(2020年/MBS・TBS系)、TVドラマ「復讐の未亡人(2022年/Paravi・テレビ東京)、ホリプロ創業60周年記念映画『NO CALL NO LIFE』(2021)など。映画やドラマに囚われず、マカロニえんぴつ『恋人ごっこ』MV、PARCO、GUCCIのショートムービーなど幅広く活動している。
撮影
富田伸二(J.S.C.)
日本映画撮影監督協会会員。1959年生まれ、埼玉県秩父市出身。大阪芸術大学映像計画学科卒業。
26歳で劇映画カメラマンデビュー。『牙狼月虹の旅人』『リアル鬼ごっこ2』等、主にアクション映画を撮影。
井樫彩監督作品で撮影を担当した作品は『SHINING RED FISH』『復讐の未亡人』。
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照明
太田博
1972生。東京都出身。
日本映画学校(現・日本映画大学)を卒業後、機材会社を経てフリーランス照明部に。2006年頃から照明技師として活動、様々な映画、ドラマ作品に携わる。カラーグレーディングやショートフィルムの監督なども手がける。
著書に『マイスターオブライト・映像ライティンング&カラーグレーディング』。主な作品は『0.5ミリ』(14/安藤桃子監督)『文豪ストレイドッグス BEAST』(21/坂本浩一監督)など。
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録音・音響効果
光地拓郎
映画美学校卒業後、数年のブランクを経て東京芸術大学大学院映像研究科に入学。2011年より録音を主とした活動を行う。
主な作品は、映画『脳天パラダイス』(山本政志監督)、『ラストレター』(岩井俊二監督)、『誰がために憲法はある』(井上淳一監督)、『恋の渦』(大根仁監督)、『WHO IS THAT MAN!?あの男は誰だ!?』(沖島勲監督)、『Synchronizer』(万田邦敏監督)、『クロス』(奥山和由・釘宮慎治監督)、『寝耳に水』(井川耕一郎監督)など。
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音楽
鷹尾まさき
大阪府生まれ。農学部出身。
大学在学中にサウンドトラックの魅力にハマり、傾倒。バンド活動をしながら独学で音楽を学ぶ。井樫彩監督作品では『溶ける』にて楽曲が使用されたことをきっかけに『真っ赤な星』や2022年7月からテレビ東京にて放送開始のドラマ『復讐の未亡人』の音楽を担当。
座右の銘は『快楽は心に在りて、事に在らず』
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編集
小林美優
東放学園映画専門学校卒業後、編集技師の宮島竜治氏に師事。助手として『DESTINY/鎌倉ものがたり』『すばらしき世界』『マイ・ブロークン・マリコ』など。
『溶ける』をきっかけに井樫監督のオリジナル脚本作品の編集を主に担当。
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美術
内田紫織
1992年山口県出身。東放学園映画専門学校を卒業後、様々な映画やドラマに参加。井樫監督作品の参加は『溶ける』('16)、『真っ赤な星』('18)以来3度目。
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スタイリスト
藤山晃子
1986年、鹿児島県出身
映画をはじめ、ドラマ、舞台、広告など様々なジャンルの衣裳に携わる。
近年では映画『胸が鳴るのは君のせい』(2021年)、『NO CALL NO LIFE』(2021年)、『十二単衣を着た悪魔』(2020年)などを手掛けている。
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ヘアメイク
藤原玲子
高校卒業後、アメリカに留学。映画制作をコミュニティカレッジで学んだ後、ヘアーとメイクの専門学校へ。卒業後帰国し、ファッションやドラマの現場のアシスタントを経験。現在は広告やMV、映画など幅広く活動中。
参加作品は『辻占恋慕』、『逆光』、『愛のまなざしを』、『佐々木、イン、マイマイン』、『真っ赤な星』など。
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助監督
水波圭太
1977年1月5日生まれ。
日本映画学校(現日本映画大学)卒業後、フリーの助監督として映画・ドラマ作品に携わる。
井樫監督とは2020年にドラマ『荒ぶる季節の乙女どもよ。』で出会い、今回が2作目。直近ではMBSドラマ『ロマンス暴風域』の演出を担当。
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制作担当
金子堅太郎
1969年東京都生まれ。91年よりフリーの製作部として活動を始める。
製作担当として参加した近年の作品として、『かぞくのくに』(12/ヤンヨンヒ監督)、『許されざる者』(13/李相日監督)、『リトルフォレスト夏秋、冬春』(14、15/森淳一監督)、『宮本から君へ』(19/真利子哲也監督)、『PLAN75』(22/早川千絵監督)などがある。
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プロデューサー
木滝和幸
2008年『ひゃくはち』森義隆監督にてプロデューサーデビュー。2012年に製作から配給までを一貫して行うマグネタイズを設立。
主な作品に『ローリング』(冨永昌敬監督)、『月光』(小澤雅人監督)、『ひかりのたび』(澤田サンダー監督)、『おじいちゃん、死んじゃったって。』(森ガキ侑大監督)、日仏蒙共同製作『ターコイズの空の下で』(KENTARO監督)など。最新作に『ほどけそうな、息』(小澤雅人監督)。
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企画・プロデュース
菊地陽介
1989年栃木県出身。大学を卒業後レプロエンタテインメントに入社。
マネージメント、浅草九劇の立ち上げを経て、映画製作プロジェクト感動シネマアワードを企画。
『あの娘は知らない』の他に、『はざまに生きる、春』(葛里華監督/宮沢氷魚)、『炎上する君』(ふくだももこ監督/うらじぬの)、『世界は僕らに気づかない』(飯塚花笑監督/堀家一希)、『夢の中』(都楳勝監督/山﨑果倫)、『階段の先には踊り場がある』(木村聡志監督/植田雅)をプロデュース。
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- 福地桃子
- 岡山天音
- 野崎智子
- 吉田大駕
- 赤瀬一紀
- 丸林孝太郎
- 上野凱
- 上野凱
- 久保田磨希
- 諏訪太朗
安藤玉恵
脚本・監督:
井樫彩
- 撮影:富田伸二(J.S.C.)
- 照明:太田博
- 録音・音響効果:光地拓郎
- 音楽:鷹尾まさき
- 録音・音響効果:光地拓郎
- 音楽:鷹尾まさき
- 編集:小林美優
- 美術:内田紫織
- スタイリスト:藤山晃子
- ヘアメイク:藤原玲子
- スタイリスト:藤山晃子
- ヘアメイク:藤原玲子
- 助監督:水波圭太
- 制作担当:金子堅太郎
- 宣伝:福永津々稀、柴田健史、矢部紗耶香
- 宣伝美術:石井勇一
- スチール:水津惣一郎
宣伝:福永津々稀、柴田健史、矢部紗耶香
- 宣伝美術:石井勇一
- スチール:水津惣一郎
- エグゼクティブプロデューサー:本間憲
- 企画・プロデュース:菊地陽介
- プロデューサー:木滝和幸
- 企画協力プロデューサー:小峰克彦
- ラインプロデューサー:西田敬
- 制作プロダクション:マグネタイズ
- 製作:レプロエンタテインメント、東放学園映画専門学校
- 配給:アーク・フィルムズ
助成:文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業
2022年/日本/76分/カラー/5.1ch
©LesPros entertainment
福地桃子
中島奈々役
福地桃子
中島奈々役
今回奈々を演じている中で 人が抱えているものをその人の中に普通に存在させるということの難しさにとても悩みました。
ですが、岡山さんが演じる俊太郎さんと会話を交わす場面のたびに、とても自然に奈々として自分だけでは出会えてこなかった心情の変化に触れるということが沢山あり、監督が描かれる脚本にある心地良さを感じられたような気がしました。
3年前から始まったこの企画がこうして皆様のもとに届くこととても嬉しく思います。
岡山天音
藤井俊太郎役
岡山天音
藤井俊太郎役
僕が演じた俊太郎は、劇中で福地さん演じる奈々さんと言葉を交わす場面が多く、会話をしているシーンが殆どでした。
台詞の多い台本でしたが同時に、余白の多い台本だとも感じました。現実の会話も、その言葉の外に真意が秘められている気がします。
井樫監督は2人の心が触れ合う空間をとても丹念に編んで下さいました。
2人の静かな情景が、皆様の情景と重なる事を願っております。
野崎智子
かなえ役
野崎智子
かなえ役
この作品に関われたこと、撮影出来たこと本当に感謝しています。
ひと足お先に拝見させて頂いたのですが、映像がとても美しかったです。画角だったり光の入り具合などひとつのアートを見ているような感覚でした。
きっと誰かの心に届き響く作品となっておりますので、是非多くの方に見ていただきたいです。映画館で何度も観たい。そう思える作品でした。
吉田大駕
翔太役
吉田大駕
翔太役
今回の『あの娘は知らない』がはじめての映画の出演でした。
すごくワクワクドキドキしましたが、監督やスタッフの皆さんや出演者の皆さんがとてもやさしかったので、楽しくのびのびと撮影できました。
きれいな景色もでてくるすてきな映画になっています。みなさん是非みてください!
赤瀬一紀
優太役
赤瀬一紀
優太役
監督の映画には誰にも出せない空気に独自の生彩があり、観る度、胸の奥に残るナニカと井樫監督作品が好きだという思いに浸ってしまいます。今作も私の中の特別な作品でした。
監督とお仕事が出来ることは私にとって、今も昔も一番特別で誇りです。
そんな大切な映画「あの娘は知らない」の魅力を感じてください。
丸林孝太郎
順一役
丸林孝太郎
順一役
誰しもが、人知れぬ孤独を抱えている。気が付かなければ、なんと無く笑って過ごせたのかもしれない。
けど、向き合ったからこそ、響き合える相手に出会える。それは、一生の内で掛け替えの無い相手になるかも知れません。
孤独を感じる事もそう悪くは無いと、この脚本を読みそう思えました。
上野凱
拓馬役
上野凱
拓馬役
血のつながりや、生まれた場所など関係なく、自分と相手の状況、状態がよくない時に寄り添い、支え合う気持ちをお互いに許す事ができるなら、人間はどんなに救われるだろうか。と撮影時に考えました。
人じゃなくとも、救ってくれるなにかに身を委ねる事で、助かる事ができるなら、なにかに甘えてみる事も大事な事だなと思います。
諏訪太朗
横田役
諏訪太朗
横田役
自分の娘のように若い井樫彩監督との撮影は、いつも私に新しい風を送り込んでくれます。真っ直ぐで、手垢の付いていない感性。初めて顔を合わせた時、これは恐るべき娘だと私は思いました。
そんな彼女から繰り出される映像作品は、とても繊細で瑞々しいのです。
久保田磨希
克子役
久保田磨希
克子役
第二次ベビーブーム世代の私は、「勝たなきゃいけない、前に出ないといけない、休んでは行けない」と追い立てられて生きてきた気がします。
そんな私でも、大袈裟なお節介より、ただ寄り添うことが、そして寄り添ってくれることにこんなに助けられるんだなと思わせてくれた映画です。
この街の住人になれたことが嬉しいです。
安藤玉恵
ママ役
安藤玉恵
ママ役
海がきれいな某所にあるスナックで撮影をしていました。観光で訪れていたらそこまでは感動しなかったかもしれないけれど、これから面白い作品をたくさん作る監督と一緒の時間を過ごしていたので、海やそこを照らす光がとてもきれいに見えたんです。
あの娘が知らない「何か」はきっとそれなんじゃないかなと思っています。
井樫彩
脚本・監督
井樫彩
脚本・監督
今作品はオリジナル作品です。今、自分が考えていること(個人的なことも世の中に対しても)を詰め込みながら、福地桃子さん岡山天音さんと向き合う中で生まれたものもたくさんありました。
決して派手な物語ではありませんが、「誰か」に届く作品を目指し作りました。
ぜひ劇場でご覧いただけたら嬉しく思っております。
富田伸二
撮影
"波音。二人海に包まれている"
この脚本の一文をどのような画にしたらいいのか。井樫監督と感性を共にすると自然とそういう画が出来てくるから不思議です。撮影時の思わぬ雨ですらこの作品のために降ってくれたと感じています。
観てくださる皆さんもこの井樫監督の感性の海に心地よく浸ってくれたら幸いです。
太田博
照明
初めての井樫監督作品は、刺激的な体験でした。一筋縄ではない脚本は悩む部分も多く、手探りのアプローチでしたが、短いながらも、合宿生活の中で作品の空気を感じながら答えを見付けていくプロセスは心地よく、奈々と俊太郎に寄りそえたのではないかと思っています。
雨の多い撮影でした。土砂降りのクランクアップと深夜の撤収が忘れられません。あの海を照らした松明は、映画のみならず、この撮影のメタファーだったのでしょうか。
この静かな物語が、心の奥にそっと響くことを願っています。
光地拓郎
録音・音響効果
海での撮影ではとても大変で一歩間違えるだけでも大変なことになる中、スタッフ全員が良いものを作ろうとこれこそ僕らが望んでいた「映画はあらゆるスタッフのクリエイティブの集積」であると実感しました。
鷹尾まさき
音楽
井樫彩監督作品の魅力は、自然風景の色彩と人間模様とのコントラスト、何より直接的に表現されていない感情や心の機微に詰まっているように感じています。
それは音楽による説明も必要ありません。奈々と俊太郎はどちらも陰りを抱えていますが、それがふとした出会いと言葉をきっかけに滲んでいく。その静かな温度と時間の流れに少しでも色を添えられていたならば幸いです。
小林美優
編集
この物語は主演2人の会話がとても多いです。かと言って今作は会話だけを聞いて2人の感情を受け取ることは難しいと感じています。表には出さない言葉の裏に隠した『想い』が沢山散りばめられていると思うからです。それらを取りこぼさないよう、動きや表情を目に焼き付けながら編集するように努めました。
内田紫織
美術
奈々の部屋に信号機の色が加わり、そこに佇む奈々を見たとき、切なさや、嬉しさが混ざった不思議な感情が込み上げました。
井樫監督の空間づくり、アートの感覚、意識にはいつも刺激をもらっています。とても大切で愛おしい作品になりました。
藤山晃子
スタイリスト
井樫監督とは『真っ赤な星』(2018)、『21世紀の女の子/君のシーツ』(2019)、『NO CALL NO LIFE』(2021)に続いて4作目でした。
今回の衣裳のテーマカラーは、奈々は白、俊太郎はオレンジ。テーマカラーをいれつつシンプルで、使用感を出し、様々な想いを抱えている二人に寄り添うような衣裳を目指しました。
藤原玲子
ヘアメイク
井樫さんは毎回しっかりとしたイメージをもたれていて、今回は大島渚監督の『太陽の墓場』のようにずっと汗がベタついている感じを出してほしいと要望がありました。そのため通常より多くのシーンで汗やテカリが足されています。また、今回の作品では素朴で作りすぎないヘアメイクを意識してデザインしました。普段は意識しないかもしれませんが、そんな点にも注目して映画をみていただけるとまた違った楽しみ方ができるかもしれません。
水波圭太
助監督
撮影中はずっとずぶ濡れだった印象が強いです。ある時は雨を降らせ、またある時は雨に降られたり、まだ冷たい海に入ったり。短い期間にすごい勢いで撮影しましたが、仕上がった作品は驚くほど細やか繊細で素敵な映画です。
金子堅太郎
制作担当
あっという間の、そして濃密な伊東での日々が、清々しいひと夏の思い出のようにはっきりと記憶されています。いつの間にか、自分も物語の二人に触発され、忘れかけてた探しものに気付かされたのかもしれません。
木滝和幸
プロデューサー
井樫彩監督は、現場を統率する力と、イメージを具現化することに長けた若き天才。そんな彼女のオリジナル脚本を世に出す一端を担えたことは、映画プロデューサーとしてこの上ない幸せだ。ロケ地となった伊東市では、撮影に忙殺される日々だったが、海も山も美しく、またゆっくりと訪れたい。『あの娘は知らない』の撮影を思い出しながら。
菊地陽介
企画・プロデュース
夏の終わりには、どこか懐かしく、それがいつだったかも覚えていないのですが、不思議と慣れ親しんだ情景が浮かび上がってきます。
『あの娘は知らない』はそんな夏の終わりに始まる小さな物語です。
奈々と俊太郎が過ごしたあの街、あの時間、あの感情を映画を通じて感じていただきたい、そして、自分の人生の中で不意に思い出す瞬間、人、風景、記憶を見つけてもらえたら嬉しいです。
板橋駿谷 俳優
ジリジリと暑い太陽の下で、主人公たちの気持ちもゆっくりと溶けるように解けていく。
その様子が、丁寧に作られた画の中にじんわりと染み出ている。
大切な何かを失うと時計が止まってしまう。
動かすには時間と、そして不意にやって来る必然的偶然が必要なのだと改めて思う。
あの二人に幸あれ。
入江喜和 漫画家『ゆりあ先生の赤い糸』
危うい二人だと思った。
奈々と俊太郎の親世代、アラ還の自分から見た二人はとても危なっかしい。
共に傷を負ってる二人だけど、共鳴してるようで自分の傷のことで精一杯。
夜の海なんかに酔っ払って入って行っちゃ危ないよ~と老婆心丸出しでつぶやいた。
だがー
その危うさこそが青春そのものなんですよね。
かつて居たような場所を見てるようで、胸が波立った。
福地桃子さんは旬の果物みたいに瑞々しく、岡山天音さんはともすればポエムになりそうな世界にリアルな男子像を見せてくれる。
井樫彩監督も20代だそうで、若い方の映画は理屈抜きで元気ときらめきをくれる。
親世代の方々にも観てほしい映画です。
上坂あゆ美 歌人
短歌 2首『あの娘は知らない』に寄せて
あの娘から成仏したい僕たちは互いのために献花を渡す
感情の亡霊としてわたしたちそれでも生きてゆくんだね 夏
奥浜レイラ 映画・音楽パーソナリティ
静寂からも波のように心情が伝わって、ふたりの傷にそっと触れながら「この場所が誰かの心ない言葉や安易なカテゴライズで壊されませんように」と願った。静かで、派手ではないけれどシーンごとに豊かさを感じる映画だ。
身体の外側にまとった「あなたが誰で」「性別は何で」「どんな人を愛すのか」といった属性を一枚ずつ剥がして、その剥がれた部分も認め合いながら、孤独なまま繋がる安らぎをあなたにも感じてほしい。
折田侑駿 文筆家
井樫監督の作品にはしばしば傷ついた者たちが登場するのだが、一見、救いのない状況下に置かれているかに思えるこの人々を、彼女は「アジール(聖域・避難所)」へと誘導する。果たしてそこでは何が起こっているのだろうか──長編第三作となった『あの娘は知らない』における「アジール」は、〈夜の海〉である。
日下玉巳 俳優・映画監督
奈々と俊太郎の、子供のような表情・会話の隙間から溢れ出る「受け入れてほしい」を感じた時、なぜか見てはいけないものを見たような気がしました。
大人になってから、皆んなが必死に隠している面なのかもしれない。
多くの言葉を重ねながら、言葉じゃない部分へ、手を伸ばし続ける2人の勇気に胸が詰まりました。
児玉美月 映画文筆家
男女の関係の最上位は決して恋愛ではないはずであり、女性は女性だけと分かり合えるわけでもない。
近年はとりわけ女性同士の連帯を示す「シスターフッド」という言葉が活況を呈した。2020年代の半ばへと進みつつあるなか、セクシュアリティの違いやジェンダーの非対称性を抱え込んだ男女が紐帯を結ぶ希望をみせてくれる『あの娘は知らない』は、今まさにわたしたちの元へと届けられるべきだろう。
志村貴子 漫画家『おとなになっても』
街で見知らぬ人とすれ違う。あるいは喫茶店で過ごすとき、自分を含めた客たちがそれぞれの席でコーヒーや紅茶を飲んでいる。ときに会話を盗み聞きする。自分と関わることのない人々の生活を想像しては絵や漫画にする。私はそういう仕事をしている。
この映画にいわゆる大きな事件は起こらない。
だけど自身の営む小さな宿に訪れた宿泊者が亡くなって、警察が事情聴取にやってきて、その後その宿泊者の恋人だった男が現れるとその男と懇意になり、ふたりで夜の海に入ったりするのはだいぶ非日常な出来事だ。
街の中ですれ違ったり、喫茶店のひとときを共にしただけの誰かにもそういう日常があったかもしれない。そういうことを考えた。
鈴木真海子
孤独だけど人といたいし、崩したくないけど変わってみたいし、知りたいけど知りたくない。人と人が完全に分かり合うことはできないけれどそれでいいと思うし、それがいいと思う。
奈々と俊太郎が向き合った時間と過去の記憶は、お守りのようになり最後は二人の背中を押していた。見終わった後、静かにじゅわっとあったかくて明るい気持ちになったのは、言葉にできなかった自分の気持ちをこの映画に聞いてもらったように感じたから。ほどける映画でした。最高!
多喜れい 漫画家『ラストジェンダー ~何者でもない私たち~』
冒頭からラストまで、沢山の感情が押しては引いてを繰り返してきた。
美しい鮮やかな映像とは裏腹に胸を絞めつける奈々と俊太郎の人生は、決して他人事ではない。気が付けば私も、二人の様に望郷の念を抱いていたのかもしれない。
「愛」とは人それぞれ様々な形がある。ストーリーが進むにつれて、私は奈々と俊太郎の間に確かな愛を感じた。それは恋愛ではなく、友情とも違うかもしれない。
ただただこの二人の幸せを、祈らずにはいられない。
そして歳を越していく中で、またこの二人に、私は会いたくなるだろう。
一秒も無駄なシーンはない。辛いのに、何回だって観たくなる。この作品に出合えたことは奇跡か必然か。光栄であることには違いない。
辻愛沙子 株式会社arca CEO
中村ゆりか 俳優
夏の汗ばむ額や体から伝わる生きているという心地、喪失した者同士の奈々と俊太郎の歩幅が徐々に重なり合う瞬間、今、それでも生きている事が素晴らしいと、再生への道導に繋がる瞬間だと感じました。
台所に立つ奈々(福地桃子ちゃん)の、自然体さから微かに漂う孤独感は現実的に存在している、奈々の人生そのものに胸を打たれました。
中山卓也 俳優
暗くてとても深い海の底で、2人を見つけた。
2人を、2人の心を覗き込んでいるみたいだった。
ものすごく暗い場所だけど、
たまに光で照らされてはキラキラしたり、時には自ら光ってみせたり。夜光虫は刺激を与えると光り輝くことを思い出した。
暗くて深い海の底で光る、2つの光り。とても幻想的な世界。
どうしようもなくなったとき、救ってくれるのは、やっぱり人だよな、と背中をそっと押してくれる。
そんな映画でした。
増田有華 俳優・タレント
静かに流れゆく時間の中、当たり前のように目の前に現れる“死”と“多様な愛の形”。
1人では生きていけないことを知りながら、それでも時に孤独を選んでしまう。
呼吸をするごとに傷つくようで、はたまたふいに立ち直れるようで。そんな不安と期待が入り混じる中、人は迷いながら本当の愛を知っていくのでしょうか。
穏やかで美しい景色とは対照的に映る、主人公2人の葛藤や悲しみ。ジリジリと静かに音を立てて燃える青い炎のように虚に揺れる奈々の長いまつ毛が印象的でした。
秋の気配が近づく中、ひとつ深呼吸をしてみる。このひと夏の尊さを忘れないでおきたい。
真魚八重子 映画評論家
昔、電話でSMプレイをするバイトをしていた。大半の客は性的なことにしか興味がないが、一人、不思議なほど優しい記憶に残っている男性がいる。彼は「ただ普通に話したいんだ」と言った。知らない相手との胸襟を開いた会話では、こちらもなんのてらいも忘れて、正直な言葉があふれる。知らない人のほうが不意打ちのように心底に触れ、素直な言葉を引き出すのだ。そこには所詮深く知ることなく別れるという、ちょっと寂しい気兼ねのなさもある。しかしそれでも、知らない人への思いやりは見返りがない、ただ利他的な無償の奉仕だ。
その男性に「芸能人で誰に似てる?」と聞いたら、「知らないかな、西武のデストラーデ」と照れながら答えていた。
南沙良 女優
美しい映画だな、と思った。
刹那的な瞬間が多く描かれていながら、悲しみや痛みや悩みが静かに心を蝕んでいく感覚に襲われた。
何度見ても、新鮮で新しい発見が見つかるような気もした。
人は誰しもが物理的にも心理的にも孤独を抱えているものだと思う。
自分のことをたったひとりだと感じ、寂しくなったり、泣いたりした夜を思い出した。
しかしそんないくつものどうしようもなかった夜が、これから先の地軸を作っていくのかもしれないな、と奈々を観て感じた。
いつか去ってしまうことを知りながら、過ぎゆく刹那を愛でること。
ないまぜで不安定な毎日を確かなものにしていけるのは、きっと自分だけだ。
三原勇希 タレント・ラジオDJ
ネットで簡単に情報を集めて誰もが発言できるこの時代、確かでない話を信じたり、知らない人の意見を正しいかのように感じてしまったりする。でも誰も知ることができない、「知らない」ままでいいことってあるよなぁと、この映画を観て心地よく感じました。あまり知らない人の方が、ふっと心のうちを晒せたりすることも。そんな人間の複雑さを繊細にとらえた、静かだけど色彩豊かな映像が印象的でした。
ミヤザキタケル 映画アドバイザー
あらゆる幸せは全て束の間で、人と人とが真に分かり合うことは難しい。
けれど、それが親しい間柄の者であれ、出会ったばかりの他人であれ、一瞬だけならば分かり合える瞬間も訪れる。
その一瞬に宿る美しさや尊さ、言葉では言い表し難い儚い心のゆらめきを、壊れてしまわないよう、こぼしてしまわないよう、とても丁寧にすくいとったやさしい作品でした。
余談ですが、同じ系列の専門学校に通っていた身として、井樫監督の活躍が嬉しいです!
森田想 俳優
いつまでも見ていられる奈々の横顔は、時折赤色に染まっていた。
それが凄く綺麗で忘れられない。
印象的な作品を照らす光の色はさまざまで、信号の点滅が雨の降る地面に反射した夜も、花の色と似た服で街を歩く姿まで、息の詰まる切なさを残しながら、この物語を彩る。
ぽっかり空いた心の拠り所を探すような再生の物語。大好きな映画です。
門間雄介 ライター、編集者
孤独な女と男が出会い、そこに何かが生まれる。
繊細な演技や、時間を性急に進めない抑制的な演出や、いくつかの息を呑むような場面が、それを静かに浮かび上がらせる。
それは光だ。
闇と闇が溶け合い、色彩を完全に失くしたかに見えたあとの、一気にこぼれる、目がくらむほどの眩い光。
すべてを癒す光――。
矢部華恵 エッセイスト
誰に話していいかわからなくて、ひとりきりで抱える、大切な思い。
それを人と共有するのは、幸せであり、怖くもある。
奈々と俊太郎のストーリーを、周囲の人が知ることは、きっとない。
二人の仲を名づける言葉も、きっとない。
欠落した部分があるもの同士だから、寄り添えた二人。
あまりに言葉が少ないので、気持ちを読み取ろうと必死に顔に見入ってしまう。
あ、もしかしてこういうこと?と観ていて何度か展開を予測するが、すぐに打ち消される。
曖昧で脆い関係の二人の、共に過ごす綺麗な時間。
あれ、何だったんだろう?っと、二人は後から思い出すのだろうか。
そんな余白が、今、恋しい。
雪見みと 女優
海辺の街に流れるゆったりとした時間。孤独な2人の間で丁寧に紡がれる会話。その節々に、どこか懐かしい「匂い」がする気がした。海の匂い、雨の匂い、タバコの匂い、花の匂い。匂いは記憶や感情を呼び起こすというけれど、この映画の中にある「匂い」は、いなくなった誰かの面影なのではないだろうか。少なくとも私はこの映画を観て、もう会えない人をふと思い出して一筋涙を流してしまったのです。
吉本実憂 俳優
まだ知らないあの娘の感情の色が、少しずつ淡く色づいてゆく様子が、観ている自分にも伝染し、淡く染まっていった。その過程で自分自身が、誰を大切にしているのか、大切にしたいのか、その人物が感情の根の部分から浮き出てきた。
そして、奈々と俊太郎さんに迫りくる「何か」の感情。その「何か」をとてつもなく知りたいのに、手を伸ばしきれない自分もいた。
観終わった後は燃ゆる感情を抑えながら帰るのに必死だった。これは私だけではないというのを、席から離れる人々の顔を見て思った。これが本来の映画の存在価値。
リアルな内容に、色鮮やかなロマンチックすぎる描写。でもそのロマンチックさは不思議とフィクションに見えない。生々しいほどリアルに感じた。
これが私の大好きで尊敬する井樫彩監督の作品。
涌田秀幸 映画プロデューサー
消魂しく鳴く蝉の声よりも強く、二人の底知れぬ哀しみの叫びが聞こえた。
人が皆抱えているどうしようも無い事を、誰かと一緒だからこそ溶かす事が出来る。
私はこの映画を観て、大嫌いを大好きに変えられる事が出来るという希望の存在を、改めて感じました。